投稿日:2025年4月25日
ビル・パーキンス (著)
私たち税理士は、日々お客様の「お金」を扱っています。ですが、お金そのものに価値があるのではなく、「お金をどう使うか」が人生の充実度に直結する——そんなことを改めて考えさせられた一冊が『DIE WITH ZERO』(著:ビル・パーキンス)です。
本書が伝えているのは、「人生の時間には限りがあるのだから、経験にもっと投資しよう」というメッセージです。貯めることに意識を集中しすぎるあまり、「いつか使おう」と思っていたお金を使わずに人生を終える。そんなことがあってはもったいない、と著者は語ります。
私たちは「節税」や「資産形成」のお手伝いをしていますが、それはあくまで「人生を豊かにする手段」であるべきです。将来への備えはもちろん大切ですが、今この瞬間を楽しむことも同じくらい重要だと、この本を読んで感じました。
「お金を貯める最適なタイミング」ではなく、「お金を使う最適なタイミング」を考える。そんな視点を持つことで、お金との向き合い方が大きく変わります。お金の価値は、銀行口座に眠っているときではなく、それを通じて人生に彩りを与えたときにこそ生まれるのです。
【感想】
私自身、この本を読んで強く感じたのは、「お金を貯めること」以上に「今しかできない経験に時間とお金を使うこと」の大切さです。
特に、家族や大切な人との時間は、意識して取らなければあっという間に過ぎてしまうもの。仕事に追われがちな日々の中でも、意識的に“人とのつながり”に時間を使いたいと感じました。
また、異文化に触れる旅や、新しい価値観に出会う経験も、体力や柔軟性のある今だからこそ吸収できるもの。
「いつか時間ができたら」と思って後回しにしているうちに、できなくなることもあると気づかされました。
年を重ねてからでは味わえない「今しかできないこと」に、しっかり時間とお金を使う。それこそが本当の意味での“豊かさ”につながるのではないかと、あらためて考えさせられる一冊でした。