ライバーの確定申告で使える「控除」まとめ｜税理士が節税ポイントを徹底解説【2025年最新版】

COLUMN

投稿日：2025年10月20日

ライバーも知っておきたい確定申告の「控除」とは？

「控除」とは、税金を計算する際に所得（もうけ）から差し引ける金額のことです。
控除をうまく活用すると、課税対象となる所得を減らすことができ、結果的に支払う税金を少なくできます。

たとえば、ライバーとして年間300万円の所得がある場合、控除を100万円受けられれば、税金は200万円に対して課されます。
つまり、控除は節税の基本となる仕組みです。

ライバーは会社員と異なり源泉徴収が自動では行われないため、「どの控除が使えるのか」を自分で理解しておくことがとても重要です。

令和7年（2025年）時点で利用できる主な控除をまとめました。
ライバーに特に関係するものを中心に整理しています。

控除の種類	最新の内容・改正点	ライバーに関係する具体例
基礎控除	所得金額に応じて48万円が上限。高所得者は減額される。	すべてのライバーが対象。所得2,400万円超は減額に注意。
社会保険料控除	国民年金・国民健康保険料など支払額が全額控除。	フリーライバーは必ず対象。証明書を保管しておく。
小規模企業共済等掛金控除	掛金が全額控除対象。老後資金の積立にもなる。	不安定な収入のライバーにおすすめ。節税＋将来備えが可能。
医療費控除	年間10万円（または所得の5％）を超えた分が対象。	喉の不調など配信に関わる治療費も対象。美容目的は対象外。
生命保険料控除	最大12万円まで控除可。	控除証明書の提出を忘れずに。
扶養控除・配偶者控除	家族の所得が一定以下なら適用。	家族を扶養しているライバーが対象。
寄附金控除（ふるさと納税）	寄附額のうち2,000円を超える部分が控除。	返礼品をもらいながら節税できる。オンライン申請も可能。
障害者控除・寡婦控除	条件に該当する場合に適用。	状況に応じて追加控除を受けられる場合も。

※令和７年１２月１日より基礎控除の見直し等が適用されます
詳しくは国税庁HP　→　https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm

【税理士が教える！ライバーが控除を上手に使う3つのポイント】

① 支払い証明書を必ず保管する
→ 医療費・保険料・共済など、証明書がないと申告できません。

② 経費と控除を混同しない
→ 経費は「収入から差し引く」、控除は「所得から差し引く」ものです。

③ 控除の組み合わせを意識する
→ ふるさと納税＋小規模企業共済＋生命保険料控除を併用すれば、年間10万円以上の節税になることもあります。

実際にどの程度の節税効果があるのかを、以下のシミュレーションで確認してみましょう。

年間売上	経費	控除合計	課税所得	目安の所得税額
500万円	150万円	100万円	250万円	約20万円前後
500万円	150万円	150万円	200万円	約15万円前後（▲5万円の節税）

同じ収入でも、控除をしっかり活用するだけで5万円以上の節税になることもあります。

【控除を使いこなす3ステップ】

1.対象となる控除をリストアップする
→ 国税庁の情報や税理士に確認して自分が使える控除を把握しましょう。

2.証明書類を整理する
→ 医療費・保険・共済などの証明書は年度ごとにまとめて保管しておきましょう。

3.会計ソフトや税理士を活用する
→ freeeやマネーフォワードなら自動で控除判定もでき、申告漏れ防止に役立ちます。

よくあるミス	修正のコツ
控除証明書を紛失	保険会社・共済組合に再発行依頼。e-Taxではデータ添付も可。
医療費控除でレシート提出	国税庁の「医療費集計フォーム」で整理・提出する。
経費と控除の二重計上	経費は事業関連、控除は個人生活関連と明確に区別する。
扶養控除の誤記入	扶養家族の所得を正確に確認。マイナンバーの記載も注意。